[68.4mm]25年目のご褒美

♂ 68.4㎜、福島県南会津町

標本DATA

【種類】  オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus ♂

【サイズ】 68.4㎜

【採集場所】福島県南会津町

【採集日時】2020年6月26日 21:20

【採集方法】Light Trap採集

【採集者名】M.W.

この大きなオオクワガタは、駐車場に設置したライトトラップに飛来しました。1995年から南会津の自然に惚れ込んで、すでに25年…Wさんが毎年、ライトトラップで採集を続けた中での最大サイズになります。毎年、採集を続けていますが、オスの飛来は非常に少なく、通算10頭ほどだそうです。

6月26日の天気予報は雨…小雨の中でライトを灯火しました。雨で温度が下がってしまい普通種の飛来も少なめでした。それでも20時40分ぐらいにメスが続けて2頭飛来し、期待値があがったところに、この特大オスが飛来してくれました。あまりの嬉しさに、誰もいない山の中で雄叫びを上げてしまったそうです。長年通い続け…その気持ちがなんだかグッと伝わります。

南会津町は地元の宿泊施設に泊まる事を条件として、町指定の場所だけライトトラップの設置、採集が許可されています。Wさんは南会津の自然に惚れ込み、毎年、足を運んできました。

桧枝岐村や只見町はライトトラップ採集が全面禁止されました。南会津町も近々採集禁止になる話があるようです。そうならないことを願うばかり。

Wさんのように地元の方々への気遣いとマナーを大切にしなければなりません。

標本をよく見て下さい。非の打ち所がない理想のフォルムです。鉞のような太い大アゴが格好良すぎます。こんな個体が、ライトに飛んで来たら、そりゃ興奮するでしょうね。

ライトに飛来するのは圧倒的にメスが多い。より良い子孫を残すためには新しい血を入れる必要があります。飛翔力の高いメスがその役割を担っているように感じます。

オオクワガタは、同じ洞で繰り返し世代をつないでいきます。同じ血統の家族間で世代をつないでも、羽化不全などの支障が出にくいようです。私の知り合いが6代目(F6)も、順調に羽化していると。これがカブトムシとなると3代目(F3)ぐらいから、小型化が始まり羽化不全も増えてきます。だから、カブトムシは、新しい血を入れるために、強い子孫を残すために、あんなに飛び回るんですね。

さてさて、いつの日かWさんにこれ以上の個体(70ミリクラス)が飛来することを願っています。その時には、森の斜面にコダマするような大きな雄叫びが響き渡ることでしょう…笑

Contributed by HIRO

2023 September

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

[82.0mm]ギネス級のミヤマクワガタ 

[70.1mm]オキナワノコギリは格好良い Part 1

関連記事

  1. [60.2mm]マイマイカブリを狙ったら!

    標本DATA【種類】  オオクワガタ Dorcus hopei bino…

  2. [50.0mm]やっと出会えたオオクワガタ

    標本DATA【種類】  オオクワガタ Dorcus hopei bino…

PAGE TOP
Translate »