標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Gynandromorph ♂♀
【サイズ】 左アゴ57.5㎜ 右アゴ52.3㎜
【羽化日】 2019年8月初旬
【種親採集場所】北海道桧山郡
【飼育者名】 T. M.
飼育されたMさんも羽化してきたクワガタを見て驚いたそうです。
この年(2019年)も50頭ほどを飼育した中で、雌雄モザイク個体は、この1頭だけ!
動きが他の個体に比べてゆっくりだなと思ったら、それが雌雄モザイクでした。
数万頭に1頭、数十万頭に1頭の確立で生まれてくる珍しいクワガタだ!なんて言う話も聞いたことがありますが…笑
誰も証明できませんね。ただ、Mさんが10年以上も飼育してきて初めてなわけですから、珍しいことは間違いないと思います。
雌雄モザイクとは?
オスとメスが一つの体に混在する個体。オスの特徴とメスの特徴が明らかな境界を持って混在している個体のことを言います。
「雌雄同体」や「雌雄型」、もっと難しそうな言葉を使うと「ギナンドロモルフGynandromorph」とも呼ばれます。なんだか怪獣のような呼び名です。かなり強そうだ!
雌雄モザイク個体は、卵を産んで次世代を残すことはできません。
見れば見るほど、不思議な感じがします。
雌雄モザイクは節足動物!特に昆虫でよく観察されています。ちょうど、左右真ん中でオスとメスに分かれているクワガタやチョウを実際に見たことがあります。クワガタやカブトムシはいくつか標本で持っていますので、いつかこのサイトで紹介させていただきます。
さて、このミヤマクワガタのモザイク個体は、オスが主体で右半分にメスの形質が強く出ています。メスは艶々で光沢があるため、混ざっているのがよくわかりますね。
右の触角も小さくメスの形質がよく出ています。
脚の長さも右側の3本が短く、特に右前脚はメスの脚ですね。メスの前脚は短くギザギザが顕著に現れます。それは産卵のために土中に潜る必要があるためです。モグラの前足のようです。
Mさんも、お子さんと一緒に飼育を楽しまれているようです。お子さんにとって、とても良い学びの機会になりますね。
VERY GOOD JOB!
Contributed by HIRO
2023 September