標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus ♂
【サイズ】 70.0㎜
【採集場所】京都府福知山市三和町
【採集日時】2021年8月9日22:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】Y. S
これは太くて大きい。
大アゴが伸びないタイプが多い関西エリアでは、7センチ台は本当に少ないと思います。
ピッタリ70.0ミリあります。
ヒラタクワガタは、漢字で「平鍬形」と書きます。名前の通り平べったいフォルムからこの名前が付けられたのだと思います。
この個体を見て下さい。確かに平たい。でも、実はしっかりと厚みもあるんです。横からの写真を見て下さい。重装甲車のように厚みがあります。
では、なぜ平べったく感じられるのか?
この横幅です。特に頭部と前胸背板の幅が大きいため平たく見えるのでしょうね。
このオスは特に幅があります。腹部(上翅)も大きい。
この個体は一抱え以上あるクヌギの大木の大きな洞を陣取って、たくさんのメス(少なくとも4頭)を囲ってハーレムを築いていたそうです。
ハーレムとはイスラム世界において女性だけの居室のことを言います。アラビア語でharemは「聖地」、「禁断の地」を意味します。そこには許されたものしか入ることができない!
このオスは、戦いに勝ち続け他のオスの侵入を許さず、自身の力でハーレムを作っていたのですね。大アゴ先が擦れてかなり摩耗し、右大アゴの内歯が大きくカケています。
勝ち続けた証なのでしょう。
こうやって強い遺伝子が残されていくのです。
Contributed by HIRO
2023 September