標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 75.5㎜
【採集場所】島根県益田市
【採集日時】2021年7月28日 21:30
【採集方法】外灯巡り
【採集者名】S. Y.
島根県産の特大ミヤマクワガタです。
ミヤマクワガタは、7センチを超えると大型。そこから1ミリ毎になかなか採れなくなり、75ミリは一つの大台と思います。
私が幼い頃、クワガタランキングを付けて競っていたのですが、75ミリを採ると、その年のトップ3に確実に入れました。銅メダル以上が確定したわけです。
とにかく、どの県でも75ミリUPのミヤマクワガタは少ないです。
そして、大きくなるほど、その個体が持つ特徴がグッと出てきて格好良いです。
幼虫のとき低温下で飼育するとエゾ型(歯型)がたくさん羽化してくるようです。この個体は第一内歯がグッと突き出た完全なフジ型です。島根県益田市(採集された地域)は日本海に近いとはいえ、冬季の温度はそれほど下がらないのでしょうね。
大アゴのところどころに凹みがあって、それもなんだか格好良い。
こんな大きなミヤマが自動販売機の灯り目がけて飛来する。驚きですね。採集者のYさんは、基本、灯火を巡って採集されるようです。夜の山に入るより安全だから良いとのこと…。こんな凄い個体が飛んでくるのであれば、灯火巡りも楽しいだろうなぁ~
しかし、益田市もクヌギをはじめとした広葉樹が減り、外灯もどんどんLED化され、クワガタを拾える場所が激減しているそうです。
昆虫たちにとっては、良いことなのだと思います。
以前は集まった昆虫を殺す為に、コンビニなどの入口に電気殺虫灯が設置されているのを見かけました。カブトムシが当たると、凄い音が鳴って、バラバラになるんです。あれを目の前で見た時は、なんとも悲しい気分になりました。
だから、LEDは良いように思えるのですが、なぜでしょう。電燈に集まる虫を眺めていた幼い頃の楽しい記憶があるためか、寂しい気持ちにもなります。
時代はどんどん変化しますね。
Contributed by HIRO
2023 August