標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 72.1㎜
【採集場所】岐阜県土岐市
【採集日時】2021年7月25日 12:00
【採集方法】木を蹴って採集(ミズナラ・コナラ混生林)
【採集者名】S. Y.
6月になるとゲンジボタルが舞い飛び、ほたる祭も開催されます。自然豊かな場所で採集できた大型ミヤマクワガタです。典型的なフジ型。頭部の発達が良くかなり迫力がある。
見れば見るほど、頭部と大アゴの造形が格好良いですね。
このミヤマは、コナラとミズナラの混生林で採れました。
ミヤマクワガタは、木を蹴ると落ちてきます。
幼い頃、なんでクワガタたちは木を蹴っ飛ばすと落ちてくるのだろう?
すごく不思議に思っていました。落ちてこなかったら、僕に捕まらないのに!
当時は、まぁ、蹴ったら落ちてくるんだから、いいや!と…謎を解き明かそうとは思いませんでした。
大きくなってから、色々と調べるようになって、なるほど!と思いました。
生きものたちの行動は、基本、すべてに意味があります。
生き抜くため、生き残って子孫を残すため。
振動を感じると落下するのは、身を守る一つの手段なのです。ミヤマはクワガタの中では最大クラス!同サイズの生き物たちであれば、怖い敵はほとんどいません。
そんな強いミヤマにも、上には上が…天敵はたくさんいるのです。
一番は鳥です。特にカラスはお腹の美味しい部分だけ上手に食べます。クヌギの根元で頭部と胸部だけが元気!?に動いているゾンビのようなミヤマクワガタを何度も見かけたことがあります。
また、木に登ったツキノワグマがミヤマクワガタをムシャムシャ食べているのを、私の友人が何度か見かけています。そして、近年では木登りが上手なアライグマまで加わりました。アライグマは本当に何でも食べる悪食です。
そんな生きものたちが木にとまったり、登ったりすると振動が伝わります。サッと下草や落ち葉の中に落下したほうが、生存確率が格段に上がるわけです。
人間は、この習性を逆手にとって落ちてきたミヤマクワガタを拾っています。
人気者(ミヤマクワガタ)は辛いですね…
Contributed by HIRO
2023 September