標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 70.1mm
【採集場所】北海道上川郡美瑛町
【採集日時】2020年7月17日 10:00
【採集方法】Looking採集(カシワ)
【採集者名】M. NARITA
北海道のど真ん中!美瑛町で採集されたミヤマクワガタです。ずいぶん前に旅行で美瑛町に訪れたことが想い出されます。「美瑛の丘」は有名ですよね。イタリアのトスカーナ地方にも似ているそうで「絵になる風景」として多くの観光客が訪れる場所となりました。実は「美瑛の丘」は、訪れた観光客から自然発生的に出てきた名称のようです。正式には波状丘陵と呼ばれ、そこを縫うように流れる川沿いに水田が広がっています。広々とした美瑛の丘から大雪山系を眺めて、あそこに天然記念物のウスバキチョウが舞っている…そんなことを思い浮かべていました。その時はミヤマクワガタのことなんて、まったく頭に浮かばなかった。
あのときもどこかで、こんなミヤマクワガタが活動していたのでしょうね。
カシワの林を丁寧に探して採集できた!この年一番大きなミヤマクワガタとのこと。
大アゴの形状は、これぞ蝦夷型!寒い地域に特徴的な歯形です。
私が幼少期を過ごした奈良では、この歯型に出会ったことはありませんでした。
根元にある第一内歯は…小さな出っ張り…ほぼ点ですね。その代わり、アゴ先は牡鹿の角のように大きく開いています。
Super COOL…
北海道のミヤマクワガタは大きい!確かに77~78ミリのギネスクラスの凄い個体も毎年、どこかで採集されています。しかし、そんな特大サイズが見られるのは道南地方に限ります。美瑛町を含む道央地方は、そんなに大きなサイズは採れない。この個体でもかなり大きいのです。さらに道北地方となると滅多に70ミリを超えてきません。おそらく寒すぎるんでしょうね。ミヤマクワガタは少し涼しい場所を好む種類だと思いますが、流石に北海道の道央や道北地方は気温が低すぎます。
今後、気候変動が進んで気温が上がってくると、道央のミヤマクワガタも少しずつ大型化していくのかもしれません。
Contributed by HIRO
2023 October