標本DATA
【種類】 アカアシクワガタ Dorcus rubrofemoratus ♂
【サイズ】 51.5㎜
【採集場所】宮城県栗原市
【採集日時】2023年8月11日 17:30
【採集方法】Looking採集(ヤナギ類)
【採集者名】Yusuke TAKAHASHI
このアカアシクワガタは、標高的にヒメオオクワガタも見られるヤナギの林で採集されました。この場所では、ヒメオオはヤナギの枝先、アカアシは太い枝にとまっていることが多いようです。これよりもう少し標高を下げると、ヒメオオは見られなくなり、その代わりにミヤマやノコギリが混ざり始めます。
このアカアシクワガタの採集者は、Project WILD Museumの協力メンバーである高橋 京介さんと熊谷 祐介さんでございます。採集者名は、合体(フュージョン)させて「高橋 祐介」でございます。Dragon BallのFusionポーズが浮かびます。
力を合わせて大型のアカアシクワガタを採集してくれました。左アゴ先が欠けていなければ、52.5ミリです。よく見ると、左の触角の第一節がグニャリと曲がり、上翅の先にコブが見られます。少し羽化不全ですね。幼虫時代を過ごした朽ち木の条件が良くなかったのかもしれません。
そんな条件でも、これだけ大きくなったのですから、すごいポテンシャルを持っている個体かもしれません。アカアシとしては横幅のあるタイプ!アゴ先が折れて、上翅にも削れやコブがあることで、歴戦の勇者のような武骨な格好良さを感じます。
最近、ニュースでクマの話題がよく聞かれます。今年はドングリの実りが少ない年のようで、クマたちは空腹を満たす為に行動範囲を広げているようです。宮城県の山々にも相当数のツキノワグマが生息しています。豊かな森が保たれている証ですね。
クマの生息する深い森に分け入るときは、高橋さん、熊谷さんのようにペアで入ることをお薦めします。おしゃべりをしたり、鈴をつけるなど、自身の居場所を発信することもGOODです。クマだって人間が怖い!できれば会いたくないのです。一番、危険なのは、お互い知らずに近づいてしまうことです。こうなったら、クマは自己防衛のために攻撃態勢に入ります。運悪く鉢合わせしてしまった場合…クマの目を見ながら、ゆっくり後退りで離れて下さい。追いかけられたら走るしかないですが、クマが様子を見ているのであれば、走らないほうが得策です。クマは時速60キロ以上で走ることができます。人類最速のウサイン・ボルトUsain Boltでも逃げ切れません。また、木に登ってもダメです。ツキノワグマは木登りがとても上手です。北海道にいるヒグマはそんなに上手くないですが…それでも人間よりは上手です。
そして、ここからは話半分…いや2割くらいで聞いてくださいませ。
グレッグGreggによると、もう逃げきれなければ、ツキノワグマであれば戦え!ヒグマはダメだがツキノワグマなら何とかなる!健康な男であれば勝てる!と豪語しておられました(苦笑)
では、どうやって戦うのか??クマの鼻ッ柱にフックかストレートパンチを食らわせろ!とのこと。多くの神経が集まる鼻先がクマにとって最大のウィークポイントだそうです。
まぁ、アイダホ州政府で30年以上、クマの管理と研究をされてきたクマの第一人者の言葉ですから…少しは…信じられる…!?
いやいや…皆さんご自身で判断くださいませ!毎年、ツキノワグマに出会う青森在住の友人にこの話をしたら、「あのパワーとスピードに人間が対抗できるわけがない。絶対無理です!戦えません。クマ除けスプレーBear Sprayを所持しましょう!」とのことでした。
とにかく、鉢合わせしてしまったら、目線を逸らさずに、ゆっくりその場から離れること。
知識は宝でございます。
Contributed by HIRO
2023 October