標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus ♂
【サイズ】 59.1㎜
【採集場所】大分県別府市
【採集日時】2021年3月18日17:00
【採集方法】材割採集
【採集者名】Shunya MORI
南の大分県とは言え、3月中旬はまだまだ寒い。どうやってこんな大きなヒラタクワガタを採集できたのでしょうか?
森さんが働かれている会社が敷地内に新しい工場を増設することになったそうです。会社の裏は、その昔、産業廃棄物処理場の跡地だったため色んなものが積み上がっています。そんな場所に大きめの木が横たわっているのを見つけました。すべて新工場のために埋め立てられてしまうわけですし、かなり良い感じで朽ちていたため、もしかしたら…と思い…クワを持ってきて、その枯れ木を割ってみたそうです。そしたらコロンと出てきた!
クワガタと言えば夏の樹液採集!材割採集は滅多にしない森さんが、何か第六感が働いたのでしょうね。
森さんの採集エリア(別府)では、55ミリくらいまでは採集できるのですが、60ミリクラスは、なかなか採れないそうです。
そんな滅多に採れない60ミリにせまるような個体が…産廃の山から出てくるなんて…笑
そうそう、材割採集で私の友人の話を思い出しました。
深い森の中でクワガタの幼虫が入ってそうな枯れ木を叩く度に…
コココココココッコン♪
と軽快なドラム音が聞こえてくるのです。そして、叩く度に、その音が近づいてくるのです。何かが近づいてくる!何かに尾行されている!視線まで感じるようになり…だんだん怖くなって、その森から走って逃げ出したそうです(笑)
生きもののことを良く知る人は、もうお分かりになったかと思います。
キツツキの仕業ですね。木をハンマーで叩く音を聞いて、別のキツツキが侵入してきたと思ったのです。「ここは俺のナワバリだぞ!出ていけ!」と警告するために近づいてきたのですね。
キツツキが木を叩くことを「ドラミングDrumming」と言います。
その音色はドラムを叩いているかのように、澄んだ森の中に気持ち良く響き渡ります。
Contributed by HIRO
2023 October