標本DATA
【種類】 コクワガタ Dorcus rectus ♂
【サイズ】 50.0㎜
【採集場所】大阪府南河内郡河南町
【採集日時】2022年7月13日 22:00
【採集方法】Looking採集(クヌギの樹液周り)
【採集者名】M. N.
コクワガタは、クワガタムシの仲間では長寿な種類になります。私が幼い頃、温度管理など特別なことをするわけでもなく普通に飼育して、冬を2回越した個体がいました。愛着がわいて、「チビ」と名付けて可愛がっていたことを思い出します。最後は、フセツはもちろんのこと脚や触角まで取れてボロボロになっていましたが、それでも3年近く生きました。
私の知り合いのコクワガタなんて、5年と数か月も生きていました。温度、食べ物などコクワガタが長生きするためのベストな環境を作りだせたからでしょう。もちろん、愛情も注がれたと思います。
では、自然の中で暮らしているコクワガタはどうでしょうか?
自然の中で生き抜くことは、そんなに甘くはありません。ほとんどのコクワガタは、長生きしても一冬越したら良い方だと思います。
このコクワガタは体の擦れや摩耗具合から推測して、野外でかなり長生きしていたと思われます。成虫になってから2年…もしかしたら、3年近く生きていたのかもしれません。
大アゴを見て下さい。強烈に摩耗して…削れ過ぎて内歯が…なくなっている。どんな生き方をしたら、こんなに削れるのだろうか?なんだかコクワガタに見えませんね。
何度も戦い、生き抜いてきた証です。横幅があるタイプで、華奢なイメージはまったく感じない。格好良いコクワガタです。
標本の出来栄えも良いですね。触角の角度が少しきつくなりましたが満足でございます。
30年以上、同じ場所(河南町)で採集をしているNさんにとって、最大クラスのコクワガタとのことです。野外で採集できるコクワガタは、本当に50ミリクラスは採れません。この個体はキッチリ50ミリです。
Contributed by HIRO
2023 October