標本DATA
【種類】 ノコギリクワガタ Prosopocoilus inclinatus ♂
【サイズ】 68.3 mm
【採集場所】奈良県吉野郡下市町
【採集日時】2022年8月6日 10:50
【採集方法】Looking採集(コナラ)
【採集者名】P
ここ数年、とっておきのクヌギがナラ枯れにやられてしまい、Pさんのクワガタ採集モチベーションはどんどん下がり…。昨年は1頭も送っていただけなかった…そんな中で、今年、やっと届きました。
箱を開けるとノコギリクワガタでございました。
Pさんが私に送って下さる個体の最低基準がありまして、ミヤマクワガタ70ミリ以上、ノコギリクワガタ68ミリ以上、そしてヒラタクワガタは60ミリ以上です。
ナラ枯れの影響が深刻で、新しいポイントを探さなければなりません。今まで時々、足を運んだ下市町ですが良い成果が出たためしがない…。新規開拓!というテーマがあるため、そんな下市町にも立ち寄ってみました。さらに、いつもは入らないであろう林道に突入してみたそうです。
コナラのかなり高所にとまっていた個体が目に入りました。Pさんの両眼は凄い力を持っておられる。視力2.0…もっと計測できる機械があれば、さらに上の数値になると思われます。野生動物並みの視力の持ち主です。だから、かなり高所にとまっている個体を見つけられたのです。ただ、老眼がきつすぎて近くが見えない…ようです…。
高所のクワガタ採集には、Superな視力と長竿が力を発揮してくれます。Pさんは、いつものように長竿の先に付けた小型ネットで上手く掬い上げ、竿をたたみながら手元へと!この個体を手に取ったとき、なぜか65ミリくらいかな!そんなに大きくないな!と思ったそうです。いつものようにそっと採れた木の根元に逃がそうと思ったのですが、念のため手持ちのノギスで計測してみると、メモリが68ミリを指して、ちょっと驚いたとのこと。
Pさんは65ミリクラスだと、すぐに逃がしてしまうので、いやいや良かったです…計測してくれて、ありがとうございました。
通常、多くの人は野外で採集すると、そのクワガタは1.2倍くらいに大きく見えるものなのですが、Pさんは小さく見えるようです。
老眼は近くが弱い…笑
左アゴ先が少し欠けて、短い方の小顎鬚(しょうがくし)が切れていますが、それ以外は完品です。大あごの湾曲も良くて美しいラインが出ていますね。上翅には、穴は開いていませんが深い傷が見えます。クワガタ同士で挟みあってできた傷なのでしょうか?傷はオスの勲章!格好良い。
Contributed by HIRO
2023 October