標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 76.0 mm
【採集場所】福岡県八女市
【採集日時】2023年8月1日 16:00
【採集方法】木を蹴って採集(クヌギ)
【採集者名】T. N.
これは大きい!
Nさんが採集した今年(2023年)最大個体です。
木を蹴って落下した!こんな大きなミヤマクワガタが落ちてきた経験は、私にはない…。あまりに羨ましくて想像しただけでもワクワクします。
私の幼い頃、ミヤマクワガタがたくさん落ちてくる木がありました。私は「ミヤマのなる木」と呼んでいました。畑の中に3本だけ立つ大きなクヌギでした。チビ(小学生の私)が蹴って揺れているようには思えないのですが、微かな振動が伝わるのでしょうね…必ずミヤマクワガタが落ちてきました。畑に落ちるので見つけやすく、キック採集する場所としては最高でした。ミヤマクワガタがほしいときには、必ずここに足を運びました。しかし、チビッ子(小学生)の私にとって、その場所は遠かった。小さな自転車で片道1時間ほど、平坦な道ではありません。私が住んでいた奈良市登美ヶ丘から「ならやま通り」と名付けられた幹線道路を東走、「ミヤマのなる木」めがけてひたすらペダルを踏みました。近鉄京都線を超え、JR大和路線の線路を通過すると目的地までもう少しです。この辺りは山を切り開いたため、アップダウンが多い。3本クヌギに到着したら、全身が汗びっしょりだったことを憶えています。今年の夏、里帰りしたときに、車で「ならやま通り」を走った時、その大クヌギが車窓からチラッと見えて嬉しくなりました。周辺はどんどん開発されてしまいましたが、50年近く経った今も、クヌギは残っていてくれました!
さて、話を戻して…福岡県の超大型ミヤマクワガタです。頭部の発達はそれほどでもありませんが、スラっと長身のイケメンでございます。いつも言っている特大サイズのラインである75ミリを超えて76ミリもある特大個体です。たくさんのミヤマクワガタを見てきましたが、まだ、この個体は大きくなるポテンシャル(遺伝子)を持っているような感じがします。私の勝手な感覚ですが、フォルムに余裕がある。この地域(八女市)のミヤマクワガタもギネスクラス(78ミリ台)が出てくる可能性を感じますね。
Contributed by HIRO
2023 October