標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer ♂
【サイズ】 67.3 mm
【採集場所】広島県呉市安浦町
【採集日時】2021年8月16日 13:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】S. O.
この平たい形は、木の洞に滑り込むのに適しています。
この立派なヒラタクワガタもクヌギの洞に陣取っておられました。深い洞から顔を出し、人影が近づくとスッと奥に隠れてしまいます。針金を奥に滑り込ませて、なんとか引きずり出すことに成功しました。8月の中旬に採集された個体ですが擦れもそんなになく、今年、羽化した新成虫のようですね。採集者のOさんは、毎年、かなりの数のヒラタを採集されています。その中でも、このサイズは最大クラスだそうです。
中国地方(山口や広島)のヒラタクワガタは大きい!という話を聞きますが、その噂通りに、このヒラタも大きいです。横幅もあって、何より大アゴの形状が私好みです。内歯から前方に並ぶギザギザがしっかり出て、これぞヒラタクワガタですね。
さて、木にどうして大きな洞(穴)ができるのかご存じですか?
もちろん色んな原因があるのですが、多くは野生動物の仕業です。キツツキが穴を開けたところに腐朽菌が入り込んで大きな洞になったり、クヌギ材が大好きなシロスジカミキリも大いに洞の形成に貢献しています。幼虫たちが生木を食べる(穴を開ける)ため、そこから樹液も染み出します。クワガタにとって、シロスジカミキリは洞も作ってくれるし、食べ物までも生み出してくれるのです。
クワガタさんはシロスジカミキリさんに感謝しなければなりません。そして、クワガタ採集が大好きな方々もシロスジカミキリさんに感謝ですね。
生きものたちは、持ちつ持たれつ!の関係性を維持しながら、命をつないでいるのです。
Contributed by HIRO
2024 February