標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 76.5 mm
【採集場所】北海道白老町
【採集日時】2023年7月23日 15:00
【採集方法】Looking採集(ハルニレ)
【採集者名】Akihiro NARITA
白老町と言えば、ウポポイUpopoyの愛称で知られる「民族共生象徴空間」が有名ですね。国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園などで構成され、先住民族アイヌの歴史や文化に関する理解と促進を図り、アイヌ文化の継承と創造発展を推進するナショナルセンターです。この素晴らしい空間の管理運営に公園財団も関わっていまして、私の仕事仲間も勤務しています。
このウポポイ周辺には、こんな大きなミヤマクワガタが採れる豊かな森が広がっているのでしょうね。いつか足を運ぶ機会に恵まれないかなぁ~なんて考えております。
アメリカの環境教育プログラムProject WILDも、Native Americanの自然との接し方、野生動物たちとの共生の知恵についてよく学び、プログラムに取り入れていこうとしています。環境教育プログラムを通して未来を担う子どもや若者の中にNative Americanに対する尊敬の気持ちを培おうとしています。私たちはアイヌの人々が自然と共生しながら生きてきた素晴らしい知恵から学ぶことがたくさんあると思います。
さて、このミヤマクワガタですね。76ミリを軽く超える大物でございます。頭部の冠の幅も21.2ミリもあって迫力ありますね。アゴ先の開きが大きめで、少しエゾ型寄りの標準型でしょうか。金色の微毛もまだまだ残った美しい個体です。
川沿いに広がるハルニレの林で採集できました。全国でも北海道(道南、道央の太平洋側)は大きなミヤマクワガタの多産地として知られています。それでも、このサイズは滅多に採れるものではございません。採集シーズンになると、時間があれば山に分け入る成田さんでさえも数年に1頭採れるかどうか?とのことでした。
このMuseumにて、すでに2頭の特大ミヤマを掲載しています。北海道の特大個体は他にもありますので、これからゆっくり掲載数を増やして行くつもりです。ミヤマファンの方は楽しみにお待ち下さい。
Contributed by HIRO
2024 February