標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長76.6㎜、頭幅20.8mm
【採集場所】秋田県仙北郡仙北町
【採集日時】2007年7月28日 22:00
【採集方法】Light Trap採集
【採集者名】K. K.
ミヤマクワガタの生育条件としては申し分ない地域がたくさんあると思うのですが、東北地方のミヤマクワガタは小さい…と、長らくそのような噂がありました。
今でも聞かれます。
ずっと思っていたことですが、おそらく採集する人が少ないんだと思うのです。
この凄い個体を見て下さい。
耳状突起も美しい箱型、そして何よりシカ角のように伸びた大アゴが素晴らしい。さらに、この個体を覆う微毛は白っぽい金色…光の反射によっては美しい銀色になります。この色合いも本個体の魅力を高めていると思います。
アメリカの会議に毎年、出席していると、友人の髪色の変化に気付きました。黒髪(くろかみ)の日本人は年齢を重ねると白髪(しろかみ)が増えてきます。私は白髪も美しいと思いますが気にされる人が多いですね。さて金髪のアメリカ人は年をとると何色になるでしょう?
そう!銀色になるのです。銀髪が風になびくと、これがまた格好良いんです。自然とこの美しいミヤマと銀髪の友人を重ねてしまいました。
このミヤマクワガタを採集したKさんは、実はミヤマクワガタを狙って採集したわけではありません。東北地方のオオクワガタを地域別に手に入れたくて、ライトトラップ採集を中心に東北各地を巡っておられました。その日は、狙ったオオクワガタはさっぱりだったそうで、普通種がたくさん飛来してくれたとのこと。普通種(副産物?)とはいえ、こんな凄いミヤマクワガタが飛来してくれたのですから、その日のKさんの運勢は最高だったと思います。
Contributed by HIRO
2024 April