標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長76.6㎜、頭幅20.0mm
【採集場所】静岡県伊豆市
【採集日時】2005年8月5日
【採集方法】木を蹴って落下した個体(クヌギ)
【採集者名】K. I.
伊豆半島で採集されたミヤマクワガタです。
伊豆半島でミヤマクワガタを長く採集されている方が語っておられました。伊豆半島のミヤマクワガタは大アゴが太短く、腹部の大きな個体が見られ、伊豆諸島(大島、利島、新島、神津島、三宅島)に分布するミヤマクワガタ伊豆諸島亜種(イズミヤマクワガタ)にフォルム(形状)が似通っている。地理的にも何か関係があるのでは?と…。
12,000年ほど前に氷河期が終わりを迎え、急激に地球が暖かくなりました。極圏の氷河が大量に溶けて海面上昇が起こり、大陸から分離されて日本列島が形成されたそうな。
日本地図を眺めながら、日本国土の成り立ち(歴史)などをベースに色々と推考するのは楽しいですね。朝鮮半島に生息するミヤマクワガタは、写真を見る限りですが日本のミヤマクワガタとそっくりです。遠い昔、大陸がつながっていたわけですから、似ているのも頷けます。
私の友人(韓国の方)に日本のミヤマクワガタを見せると…
「僕が幼い頃に、憧れていたクワガタと一緒です。これ都会にはいないです!珍しいです…はい!」と懐かしそうに話してくれました。韓国の子どもたちにとっても、クワガタは人気なんですね。
さて、このミヤマクワガタを見て下さい。
私が知る限りですが、おそらく伊豆半島で採集された最大クラスかと思います。
腹部(上翅)は確かに大きいですが、大アゴは決して短くないです。発達した大アゴは大きくWAVEを描いています。立派な第一内歯のすぐ上にちょこっと前方に突き出した内歯(突起?)が印象的!エレガントなクワガタですね。
本個体も、展脚後、普通に乾燥させると上翅が大きく開いてしまうタイプでした。貴重なサイズですので、なんとか格好良く仕上げたいと思い、虫ピンで上翅を強めに抑え込んだ状態で、ゆっくりと時間をかけて乾燥させました。
ピタッとはいきませんでしたが、このくらいの開きで抑えられたことが良かった(自画自賛)
というわけで標本の完成度はPerfect(120点)でございます。
Contributed by HIRO
2024 April