標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer ♂
【サイズ】 60.1㎜
【採集場所】新潟県長岡市
【採集日時】2023年7月10日21:30
【採集方法】外灯Looking採集
【採集者名】T. A.
本個体が採集された長岡市には、公園財団が開園当初から管理運営を任せて頂いている国営越後丘陵公園があります。今(5月下旬から6月中旬まで)ですと「香りのばらまつり」が開催されています。およそ800品種、2,400株のバラが植栽され、園内に入ると豊かな香りに包まれます。一見の価値ありですので、是非、一度足を運んでみて下さいませ。
園内で私が好きな場所は、もちろん「里山フィールドミュージアム」でございます。この地方で見られた里山原風景を再現するなど自然豊かな空間が創出されています。もう10年以上も前でしょうか…仕事で越後丘陵公園を訪問した時に公園職員に聞いてみると!ノコギリクワガタとコクワガタは園内にたくさん生息している。ミヤマクワガタは少ない。ヒラタクワガタは見たことないとのことでした。
ヒラタクワガタは南方系のクワガタ…あまり寒い地域を好まない種類です。そんなヒラタクワガタですが、気候変動の影響でゆっくりですが分布域を北に広げています。ある専門筋によりますと、現在の北限は栃木県と言われていますが、今後ゆっくりと東北地方北部へ分布を広げていくと思います。野生動物は生きるために、好みの環境を選んで、子孫をつないでいきます。
さて、地元(長岡市)で毎年、採集を楽しまれているAさんによりますと、昔からヒラタクワガタ(ほとんどが40ミリ台)は採れていたけど、こんな大きなヒラタクワガタを外灯下で拾ったのは初めてとのこと。かなり驚いたそうです。頭胸部の発達がかなり良いですね。南方系の種類にとって、冬季の気温がかなり下がる新潟は生息環境としては厳しい。それが、60ミリを超えるヒラタクワガタが育ってきているわけですから、やはり少しずつ暖かくなってきている!
野生動物たちは、その変化を鋭敏に感じ取っているのでしょうね。
Contributed by HIRO
2024 June