標本DATA
【種類】 コクワガタ Dorcus rectus ♂
【サイズ】 47.0㎜
【採集場所】広島県呉市下蒲刈町
【採集日時】2023年9月29日 12:00
【採集方法】Banana Trap採集
【採集者名】Akinori MURAYAMA
このコクワガタ!かなり横幅があって格好良いですね。オオコクワガタ(コクワガタとオオクワガタの種間雑種)を数頭持っていますが、隣に並べてみても、見劣りしない横幅です。もしかして、オオクワの遺伝子が少し混じっているのかも??と疑いたくなります。色々と考えるのは楽しいですね。オオコクワガタも標本掲載していますので良かったら見て下さいませ。
この立派なコクワガタは、「下蒲刈島(しもかまがりじま)」で得られました。良さそうなクヌギに仕掛けたバナナトラップに来てくれたそうです。島の名前を聞いて、それどこなの?と思う方がたくさんいらっしゃると思います。私も知りませんでした。下蒲刈島は瀬戸内海に数多ある島の1つで、島の真ん中にある大平山(272 m)から瀬戸内海の絶景を望むことができます。イチゴやミカンの栽培が盛んな島です。
もう一つ…「とびしま海道」ってご存知でしょうか?
サイクリストの聖地「しまなみ海道」は有名ですね。その西側に7つの橋で島々を結んだのが「とびしま海道」です。愛媛県今治市の岡村島から大﨑下島、豊島、上蒲刈島、下蒲刈島を抜けて広島県呉市に至る約30キロの道のりを指します。
さて、このコクワガタの採集者はクワガタ界で知られた方でして、特に日本の島々に生息するクワガタ調査に力を入れられています。昨年(2023年)は、「とびしま海道」のクワガタ生息調査に取り組まれていました。その調査で得られた貴重なクワガタたちをお譲りいただきました。
村山さんから伺った話によりますと…
下蒲刈島はコクワガタとノコギリクワガタが多い。ただ、クワガタたちは島全域に分布しているわけではなく、局所的に生息していることがわかったそうです。島内各所の良さそうな場所にバナナトラップを仕掛けたのですが、採れたのは島のごく一部だけでした。
村山さんが知る限りですが…本個体47ミリは、下蒲刈島で得られた最大クラスのコクワガタとのことです。
Contributed by HIRO
2024 June