[67.1mm]体力と技術がものをいう

標本DATA

【種類】   ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer ♂

【サイズ】 67.1 ㎜

【採集場所】愛媛県今治市大島

【採集日時】2023年7月28日9:00

【採集方法】Looking採集(クヌギ)

【採集者名】Makoto AKASE

この地域で最大クラスに入る立派なヒラタクワガタです。横幅もあって、私の中では、これぞヒラタクワガタといえる個体です。赤瀬さんは愛媛県内をメインに採集を楽しまれています。このヒラタクワガタは標高200メートル、45度くらいある急斜面に立つ大きなクヌギの洞に隠れているところを見つけました。さぁ捕獲です。洞の中で足を踏ん張っているため、掻き出し棒(鍬形を洞の奥から引っ張り出すために工夫して作られた小道具)を使って引きずり出そうとしたのですがビクとも動きませんでした。少し時間をおいて油断をさせてから、1本の掻き出し棒をサッと入れて洞の奥に逃げられないようにブロック。その後は2本目の掻き出し棒を駆使して、なんとか確保できたそうです。いつのまにか30分以上経過していました。大きな個体になるほど警戒心が強く、ほんの少しの物音や気配を感じるとスッと穴の奥に隠れてしまいます。洞が深いとまったく姿が見えなくなります。実体験で培った採集技術にplusして体力のある赤瀬さんだから採集できたのだと思います。

私も子どもの頃…今もそうですね…大型のヒラタクワガタに憧れていました。大きなヒラタほど穴の奥に入られて採れないことが多く、悔しい思いを何度、経験したことか…。どうしてもあきらめきれず、懐中電灯で照らしながら洞にピンセットを差し込んで、数十分格闘したことは数知れず…そのほとんどが採れなかった。さらにヤブカに顔や首をボコボコに刺され、特にオデコ、両目の瞼、頬を何度も刺されたものだから顔の輪郭まで崩れるほど腫れ上がったこともありました。

家に帰ると母さんに「あんたは誰や?ヒロシなのか?」と疑われたことも…笑

「泣きっ面にハチ」ではなく、「泣きっ面にヤブカ」…おあとがよろしいようで!

Contributed by HIRO

2024 June

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