標本DATA
【種類】 ノコギリクワガタ(原名亜種) Prosopocoilus inclinatus inclinatus ♂
【サイズ】 41.8 mm
【採集場所】東京都文京区目白台
【採集日時】2021年6月26日 9:15
【採集方法】Looking採集(カジノキ)
【採集者名】Yuko TAMAKUMA(カメのお姉さま)
静かな夕暮れ時、目白台にあるカジノキで私の仕事の相棒が見つけてきました。樹液周りでメスをガードMate Guardしていたそうです。
メスはそのままにして、オスだけ採集してきてくれました。
昆虫採集をはじめとした環境教育イベントにおいて、参加してくれたお父さん、お母さん、子どもたちに、「メスはできるだけリリースして下さい!」と事あるごとにお伝えしています。
大切な子孫を残す(卵を産む)のはメスなのです。来年、再来年と採集や観察を楽しむことができます。
相棒は、ちゃんとその教えを守ってくれました。
「このカジノキは、クワガタが集まるんだよなぁ~!」
私が言ったことを相棒は良く憶えていて、仕事帰りにカジノキに立ち寄ったようです。
得意気に持ち帰ってこられました(笑)
そのカジノキは、よく樹液が浸みだしているんです。なぜでしょうか?
昆虫のことをよく知る皆さんは、すでにお分かりかと思います。
カミキリムシです。
今年(2023年)の7月に、犯人(虫だから…犯虫かな…笑)を見つけました。
予想通り「クワカミキリ」でした。
クワ科のカジノキを好むカミキリムシと言えば、やっぱりこの子ですね!
大型で美しい甲虫です。
カミキリムシの幼虫が入ると、内部から傷つき、色んな所から樹液が浸みだします。
樹木(カジノキ)にとっては死活問題!困った天敵なのですが、樹液をご飯とする昆虫たちにとって、クワカミキリは最高の働きをしてくれているわけです。
養蚕農家の方々にとっては困った虫(害虫)なのですが、私と相棒にとっては益虫!??
おかげで、このノコギリクワガタを採集できました。
Thanks, Mulberry longhorn beetle!
Contributed by HIRO
August 20 , 2024