標本DATA
【種類】 ノコギリクワガタ(原名亜種) Prosopocoilus inclinatus inclinatus ♂
【サイズ】 69.0 mm
【採集場所】滋賀県大津市神出開町
【採集日時】2022年8月5日 5:25
【採集方法】Looking採集(クヌギ樹液周り)
【採集者名】T. TANAKA
本個体が採集された場所は、山の急斜面に立つ大きなクヌギ。そのクヌギは目線の高さ付近の樹皮が大きく捲れ上がり、そこから樹液が溢れ出しているそうです。田中さんの話を聞いていると、このMuseumのトップ画面にあるような光景が広がっているのだと思います。樹液の酒場には様々な生きものが集まってきます。色とりどりのカナブン、チョウチョ、スズメバチ…集まっている昆虫を食べようとカマキリも顔を出したり…。酒場を巡っての争いは、眺めていると本当に楽しいですね。
さてさて、本個体を見て下さい。湾曲した大アゴが美しく、横幅もしっかりある迫力のある個体です。ノコギリクワガタは上翅に赤みのある個体が多いのですが、本個体はかなり黒いタイプですね。大型個体で赤さがまったくない黒いノコギリクワガタはそんなに多くないと思います。
標本の出来栄えも良いですね。触角も決まり、フセツも奇麗に伸ばすことができました。ただ、もう少し前脚を広げたほうが格好良かったかもしれませぬ。
Contributed by HIRO
August 23, 2024