標本DATA
【種類】 ノコギリクワガタ(原名亜種) Prosopocoilus inclinatus inclinatus ♂
【サイズ】 71.4 mm
【採集場所】熊本県熊本市中央区
【採集日時】2021年6月21日 20:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ樹液周り)
【採集者名】K. Y.
熊本県で得られた70ミリクラスのノコギリクワガタを数頭持っていますが、どれも大アゴの発達が良い個体ばかりです。
標本を見て下さい。目を引くのは、やはり大アゴの大きさですね。大アゴは曲がっていますが、しっかり前にも伸びています。内歯が前方に美しく並んで…これぞ大歯型という感じで格好良い~。
採集できたクヌギは、昼間(明るいうち)に見に行くとカナブンたちで溢れていたとのこと。暗くなってから出かけると、樹液のど真ん中(特等席)で悠々と食事をされていました。Yさんに気付くと大アゴを振り回して威嚇してきたそうです。
樹液の酒場は、昼間と夜の客層が変わりますね。だから、いつ訪れてもワクワク感がたまらない。今日は誰に出会えるだろう??って…ね。
私は夜の樹液酒場に集まる「蛾」に会えるのも楽しみの一つでした。
まぁ…嫌いな方が多いですが…
特に私のお気に入りはシタバガの仲間です。前翅はカモフラージュのため樹皮に似せた渋い色合いなのですが、後翅は違います。シロシタバ(白)、ベニシタバ(紅)、キシタバ(黄)と名前の通り後翅の色合いが美しい。普通にとまっていると前翅しか見えないのですが、樹液に飛来したときは、後翅がパッと映えて本当に素敵なんです。特にベニシタバの「真紅」の美しさには魅了されます。毒はありませんよ!毒を持っている蛾は実は少ないのです。是非、様々な生きものに興味を広げていただきたいと思います。
もし私の話に興味を持っていただけたら、「ベニシタバ」と検索してみて下さい。
さて、標本の出来栄えは、前脚と中脚の詰まり過ぎを除けば満足でございます。特に口髭などが美しく整いました。この部分(口周り)も、なかなか上手く整えられない個体が多いんです。
Contributed by HIRO
August 27, 2024