標本DATA
【種類】 アカアシクワガタ Dorcus rubrofemoratus ♂
【サイズ】 52.2㎜
【採集場所】福島県福島市
【採集日時】2022年7月5日 12:00
【採集方法】Looking採集(ヤナギ類)
【採集者名】Cassiopeia
Cassiopeia君の2022年最大個体になります。福島市内で得られた良型のアカアシクワガタです。いつも思うことですが、アカアシって美しいですよね。標本をじっくり見て下さい!カケや擦れのない完全体でございます。50ミリ以上のアカアシクワガタをズラッと並べてみると、本個体は大アゴが少し短く感じます。同じ種類でもフォルムは変わりますね。アカアシクワガタは大アゴが長くボディが細めのタイプから、本個体のように栄養分が太さに流れたような個体が見られます。私は太いタイプが好きでございます。
本個体はヤナギの木を手で振動させると落ちてきてくれました。ただ、何かが落ちたのはわかっても簡単に見つけられません。2024年の夏もPさんの採集に同行させていただき、あらためて思ったことがあります。木を蹴ると何かが落ちたことは何となくわかるのですが、私は見つけられません。だけど、Pさんは落下した方向へサッと走って、落ち葉の下などに潜り込む前に見つけてきます。ノコギリの65ミリくらいが落ちた時も、私はまったく気付きませんでした。あそこに引っかかっている、ほら!って…指差して教えてくれるのですが、それでもまだわからない。Pさんが虫網の竿を伸ばしていくと、やっとわかりました。驚くほど遠くの笹の葉っぱに引っかかっていたのです。あんな遠いところに落下したんだ。蹴ったクヌギを見上げると、確かに奥の方にかなり傾いています。すごい動体視力?と言いますか、これは長年、磨き上げられた能力だと私は思います。
Pさんの話になりましたが、Cassiopeia君の採集に同行させてもらえたら同じことを感じると思います。本個体もアカアシとしては特大サイズとはいえ、たった5センチ程の甲虫です。木から落ちて来てくれても、私だったら高確率で逃していると思われます。
磨き上げられた動体視力と聴覚が力を発揮している。動体視力を英語で、Dynamic Visual Acuity(DVA)と言います。
You have a great DVA, Cassiopeia!
Contributed by HIRO
September 18, 2024