標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer ♂
【サイズ】 68.4㎜
【採集場所】岡山県倉敷市
【採集日時】2023年6月5日12:00
【採集方法】Looking採集(アキニレの樹液周り)
【採集者名】K. Y.
この大きな太い大アゴを眺めていると、ふと昔のことを思い出しました。
私が小学生の頃、採ってきた魚やザリガニを入れるために…猫の額のような小さな庭に…父が池を作ってくれました。穴を掘ってモルタルを流し込んだ本格的な池です。たまらなく嬉しくて、まだ入れたらダメだと言われているのに…採ってきた魚を放り込んだら、翌日、全て水面に浮かんでおられました。セメントのアク(毒素)が出てダメなんですね…まったく言うことを聞かない子ども時代でございました…。そして、夏になるとクワガタを入れる飼育箱もDIYで作ってくれました。縦横50センチ、高さ60~70センチほど!木製のかなり大きな箱でした。クヌギの止まり木も3本ほど斜めに入り、真ん中にスイカをドンとおけるように計算して作られたクワガタ専用の飼育箱です。私の父は器用な人なのです。その中に採れたクワガタをどんどん入れていました。子どもって、捕まえたら満足!特別なクワガタは個別に飼育していたのですが、それ以外は全て大きな飼育箱へ。そのときに気付いたことですが、ヒラタクワガタを入れると、翌日、高確率でお亡くなりになっているクワガタが数匹…綺麗に真っ二つになっているのです。大きな♂は好戦的な種類が多いのですが、特にヒラタクワガタは気性が荒いことがわかりました。ノコギリも喧嘩好きですが、ヒラタクワガタはかなり好戦的だと思います。
さて、本個体を見て下さいませ。倉敷市内で採集された幅広個体!大アゴがかなり太いです。68ミリを優に超える倉敷市内では、おそらく最大クラスになります。喧嘩したら強いでしょうね。アキニレの樹液周りで正午に採集できました。発生初期のため擦れや傷もなく活動し始めて間もない個体だったと思われます。6月後半から7月に入ると、このような特大個体は深い大きな洞に陣取ってしまい、簡単には採集できなくなります。まして、昼間なんて、警戒して洞の奥深くに隠れています。特大を狙うなら発生初期ですね。
Contributed by HIRO
October 9, 2024