さて、2023年の夏にスタートさせ、少しずつ標本掲載数を増やしているMuseumも、本個体で200頭目になりました。その記念すべき標本は、自然とCassiopeia君のミヤマクワガタに！

狙っていたわけではなく、自然の流れでちょうど標本がタイミングよく仕上がりました。100頭目はカシオペア君の72.6ミリ。そして200頭目もCassiopeia君の72.7ミリ…何か御縁を感じますね。

さて、標本をじっくり見ていただきたいと思います。すごく太いわけではありませんが、頭幅もしっかりあってプロポーションも美しいイケメンだと思います。上翅のスジが目立って美しいですね。ミヤマクワガタに並々ならぬ情熱をかけているCassiopeia君は、もちろん最大個体をキープされています。73を悠々超えた個体をいくつか…手元に大切に保管されています。本個体はその73（最大クラス）に迫る特大サイズになります。一昨年の72.6ミリに続いて、また素晴らしいサイズを気持ち良くプレゼントいただきました。いつも思うことなのですが…頂いてしまって良いのだろうか…。

さて、採集した状況をCassiopeia君から教えていただきました。

福島市のお隣…白石市の山中…標高300メートルほどですが、やはり夏です。手持ちの温度計は30℃を超え、雨上がりの蒸し暑い日でした。山中の舗装道路を少し歩くとCassiopeia君が目指すとっておきの木が目に入りました。早速、思いっきり蹴っ飛ばしてみると、「バチーン」と大きな落下音とともに落ちてきてくれました。本個体がとまっていた木は道路沿いに枝が大きくせり出しているため、落ちた場所が硬いアスファルト上でした。落ち葉が積もった林床に落ちたら、フカフカで気持ちよさそうですが、アスファルトの上は痛いのでは？…そう思う方もいらっしゃるかと…。実は昆虫類は痛みを感じないようです。人間のように痛覚が発達していません。

「痛みを感じない」と記して、私の頭にポンと浮かんだので、ハサミムシ母さんの信じられないお話を少し…。

ハサミムシのお母さんは子どもたちに自身の体を食べさせながら、その成長を見守ります。痛みがないから、こんな信じられない手段が生まれたのでしょうね。ハサミムシの子どもたちは母の栄養（愛情）をそのままモグモグ吸収して成長していきます。この話を知った時、私は何とも言えない切なさと、確実に子孫を残そうとする恐ろしいほどの逞しさを感じました。

さてさて、クワガタの話に戻しますね。標本の仕上がりは二重丸です。Cassiopeia君から譲っていただいた最大個体ですので、やはり気持ちが入りますね。丁寧に展脚して半年以上かけて、ゆっくりと乾燥させました。上翅の開きも抑えられましたし、触角も満足いく整形となりました。見れば見るほど魅力的なクワガタだと思います。

お伝えしたように、一昨年（2023年）の夏からスタートさせて本個体が記念すべきMuseum掲載200頭目となりました。今後も掲載標本数を少しずつ増やして行きたいと思っています。まだまだ、御紹介したい魅力的なクワガタたちがたくさんいます。

1,000頭を目指したい。達成できるだろうか？？ コツコツと積み重ねて参りますので、皆さま、引き続き、御贔屓によろしくお願い致します。

Contributed by HIRO

2025 March

（⇩外部リンク：ミヤマ採集時の詳細はブログにて）

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