標本DATA
【種 類】 アマミマルバネクワガタ Neolucanus protogenetivus protogenetivus ♂
【サイズ】 体長 55.8 ㎜
【採集場所】鹿児島県大島郡瀬戸内町 冠岳(奄美大島)
【採集日時】2013年8月24日
【採集方法】夜間のLooking採集(スダジイの古木)
【採集者名】Y. K.
Kさんに、この年(2013年)の記憶を辿っていただきました。採集の上手な方は、当たり前に良い場所、そして良い木(スダジイ)を知っておられます。採集される方々は、そのような木を「御神木」と呼ぶそうです。オオクワガタが「黒いダイヤモンド」と呼ばれ、驚くほど高額で取引されていた頃、私の知人が「このクヌギにはオオクワガタが住んでいる。神の木なのです!」って嬉しそうに話してくれたことが思い出されます。当時、「神さまの木」って…大げさだなぁ~と感じました。
さて、Kさんの2013年の採集プランは、まずアマミミヤマを狙ってから後半はアマミマルバネに全集中。しかし昨年、マルバネを8頭ほど観察できた神の木(スダジイ)が気になって、少し時期は早いと思いつつ、入島してすぐ見に行ってみると、なんとすでに2頭が幹に付いているではありませんか!気持ちは一気にアマミミヤマからマルバネに振り切ってしまったそうです。マルバネの発生が早くなっているのは、気候変動も影響しているのかもしれませんね。
標本をよく見てください。美しい個体なのにボディのラインが歪んでいる…。私はプレートに体をしっかり押さえつけてから標本の形を整えていきます。ボディのラインが右にずれていることに気付かず、そのまま押さえ込んでしまいました。残念でございます。もちろん再展脚もできるのですが…展脚って、本当に時間がかかる作業でして…。私はこだわりがありまして、おそらく他の方が標本作成するよりも3倍くらい時間がかかっているように思います。
今回はこのままで…アップさせていただきます。
ボディラインが少し右に歪んだ点を除いては、非常に美しくできた標本でございます。
Contributed by HIRO
2025 March