標本DATA
【種 類】 アマミマルバネクワガタ Neolucanus protogenetivus protogenetivus
【サイズ】 体長 56.5 ㎜
【採集場所】鹿児島県大島郡瀬戸内町 冠岳(奄美大島)
【採集日時】2013年8月24日
【採集方法】夜間のLooking採集(スダジイの古木)
【採集者名】Y. K.
55.8ミリと同日にスダジイのルッキングで採集された個体になります。体長が少しだけ大きいのですが、55.8ミリと比較すると歯が太くて立派ですね。縦角の伸びも良い感じがします。
十分立派なのですが、やはり「小歯型」ですね。すでにお話をさせていただいたように、野外で採集できるアマミマルバネクワガタは55ミリくらいから大型と呼ばれます。本個体は56ミリを超えている大型個体なのに…。
私が初めてアマミマルバネクワガタの標本を図鑑で見た時、太短い大アゴとノコギリのようなギザギザが非常に魅力的に感じました。「小歯型」で十分すぎるぐらい格好良い!と心から思いました。
しかし、滅多に採集できない中歯型を見せていただくと…
滅多に見られない!なんて言われると、少し歯が乱れている…ギザギザが不規則になっているだけなのですが、その個体の魅力にグッグッと引っ張られました(笑)
単純でございます。
さて、Kさんからお話を伺っていると、私は何年も奄美大島に通われているベテランの方と勝手に思い込んでいました。実は2012年に初めてアマミマルバネ採集にトライされたそうです。ハブの恐怖もあって初年度はかなり苦戦。そして、2年目(2013年)は前年の苦戦を糧にして気合を入れて入山!採集規制のお話は現地で知り合った方から聞いて、「これからなのに…」とガッカリされたとのこと。Kさんの2013年の成果は、なんと滞在後半に61ミリもある歯型の良い個体に出会えました。そんなKさんに神さまが…よき計らいをしてくれたのかもしれません。どんな歯型なのか…気になりますね。むし社発刊の「日本のマルバネクワガタ」のp.7に並んでいるような凄い個体のような気がします。
もう採集規制がかけられてから早いもので10年近くが経過しました。
今でも豊かな森の中で毎年、大きなマルバネクワガタたちがスダジイの古木をゆりかごにして命をつないでいってくれていると思います。
Contributed by HIRO
2025 March