標本DATA
【種 類】 アマミマルバネクワガタ Neolucanus protogenetivus protogenetivus ♂
【サイズ】 体長 59.1 ㎜
【採集場所】鹿児島県大島郡瀬戸内町 鳥帽子岳(奄美大島)
【採集日時】2013年8月31日8:00
【採集方法】夜間Looking採集(林床歩行個体)
【採集者名】Tsuyoshi ARIMA
本個体は、林床を歩いているところを、有馬さんが発見して拾い上げた個体になります。この大きな個体を拾う前に、その周辺で54ミリほどの雄を3頭も拾ったため、発生木(スダジイ)が近くにあることを確信したそうです。周辺を探索してみると、予想通りありました。意外だったのは、ほぼ全て土に埋もれた状態の大きなスダジイ(倒木)が発生木だったことです。土中からほんの少し出ているところに洞(穴)があり、そこから這い出てきたようでした。土中に完全に埋まった状態のスダジイから採集したのは、初めてだったそうです。このポイントで10頭ほど採集できた中で、本個体が最大でした。
標本をじっくり見ていただきたいと思います。私が持っているサイズの近いアマミマルバネを隣に並べてみると、あらためて本個体の太さが際立ちました。でっぷりとして丸い感じ。
左のアゴ先が欠けていますね。おそらく一緒に出てきたオスと一戦交えたのか?それとも、土中に埋もれた発生木をこじ開けるときに、大アゴが傷ついたのだろうか?
私は傷ついた個体に「ワイルド」な魅力を感じてしまいます。傷は自然の中で生き抜いてきた証ですから!
Contributed by HIRO
2025 March