標本DATA
【種 類】 オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus ♀
【サイズ】 35.0 ㎜
【採集場所】新潟県阿賀町
【採集日時】2023年9月9日 21:00
【採集方法】Light Trap採集
【採集者名】ちゃんまん
本個体は、「ちゃんまん」さんが2023年度のセミプロ称号をキープできた記念すべき10頭目のオオクワガタになります。左のアゴ先が欠けていますね。ライトトラップに飛来した時にアスファルトにぶつけたのだろうか??この♀を路上で見つけた後に、本Museumにおいて紹介している立派な♂が飛来してくれました。
さて、本Museumで紹介する初めてのオオクワガタ♀でございます。上翅のスジが非常に美しいですね。このスジを見ると、小学生の頃の記憶がサッと頭に広がります。私の家(奈良の実家)の前に住んでいたMitsuhiro君が、このクワガタを捕まえたんだけど種類がわからなくて…と家の玄関まで持ってきてくれました。当時の一般的な昆虫図鑑は掲載されている種類が少なく、珍しいクワガタを同定するのに少し苦労しました。何といっても私は、父にせがんで買ってもらった保育社の原色日本甲虫図鑑を持っていました。Mitsuhiro君は、それを知っていたので、私の家まで持ってきてくれたのです。そのクワガタを一目見た瞬間に、オオクワガタの♀かもしれないと思いました。ヒラタクワガタ♀のように横幅があって、コクワガタ♀と違って、ピカピカと輝いています(光沢がある)。そして、なんといっても上翅のスジが美しい。Mitsuhiro君と調べてみると、やはりオオクワガタでした。なんと彼が捕まえた場所は、私たちがよく足を運んだ大クヌギ(2本のクヌギが根元で絡んで大きな洞を形成している)の近くとのこと。それは住宅街(奈良市登美ヶ丘4丁目)の斜面にそそり立っていました。その大クヌギが立つ斜面の少し下に立ち枯れのコナラがあって、それを崩すと出てきたそうです。2匹目がいないかどうか捜索しに行きましたが見つからず…。そして、いつものように大クヌギの洞に懐中電灯を照らすと、大きめのクワガタ(お尻)が奥の方に見える。これはオオクワガタではないか?と2人でワクワクしたことが、昨日のことのように思い出されます。50年近く前なのに、木々の香りや爽やかな風と青空、その時の情景がサッと頭に広がります。このような記憶は、いつまでも鮮明に残っているから不思議ですね。
Contributed by HIRO
April 28, 2025