標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ(壱岐亜種) Dorcus titanus tatsutai ♂
【サイズ】 78.0㎜
【採集場所】長崎県壱岐市芦辺町
【採集日時】2020年6月15日 20:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】S. AYUKAWA
小学生の頃…6シーズン、奈良市内でたくさんのヒラタクワガタを見てきました。大きくて太い個体狙いでしたが、そんな理想的なヒラタクワガタには、そうそう出会えるわけもなく…。
30ミリ台の小型個体が多かった。そして、小型ほど赤い色(ワインレッドと言ったほうが良いかも)の個体が多かった。たった一度だけでしたが60ミリ超えの赤いヒラタクワガタを捕まえたことがありました。レッド君と名付けて長く飼育していたことが思い出されます。
そして、大アゴが長いタイプもけっこういましたね。65ミリ台の特大ヒラタなのですが、ほっそりして、大きく感じられない…アゴ長は、体長を稼げるのですが、なんだか大きなコクワガタのようで…。個人的にあまり好きではありませんでした。私の好みは短歯、太めでございます。
しかし、この大アゴが長いヒラタクワガタに対しては、そんなイメージなんてブッ飛びますね。強烈な迫力でございます。ぴったり78ミリあります。
ここまで大きくなると、世界最大級クワガタとして有名なパラワンオオヒラタクワガタに見えてきます。おそらく、パラワンの遺伝子も遠い昔に引き継いでいるように感じます。
遥か昔、大陸はつながっていたのですから!是非、大陸移動の歴史を調べてみて下さい。アフリカ大陸と南アメリカ大陸を近づけてみると海岸線がパズルのピースのようにあわさる…。オーストラリア大陸に人気のコアラをはじめとした有袋類がたくさん生息している。生きものに興味を持つと、いろんな疑問が生まれてきますね。
さて、この個体…左後脚のフセツが根元からなくなっています。上翅にはたくさんの傷、ボディの擦れ具合を見ても、野外で長く生きてきた老齢個体であることが容易に想像できます。
いつも言うことですが、私はこのような歴戦の強者のような個体に魅かれます。多くの戦いを勝ち抜き、その傷は勇者の証のように思えます。
標本の出来栄えは満足です。数年前は、これぐらいの大アゴの開きが格好良いと感じたのですが、今はもう少しだけ開けた方が良いかなぁ。人の好みは変わりますね。
Contributed by HIRO
2023 October