標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 71.5 mm
【採集場所】京都府亀岡市
【採集日時】2023年7月11日 18:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】K. K.
亀岡と言えば、戦国時代末期に明智光秀公が築いた丹波亀山城と城下町が有名ですね。市内には桂川、七谷川、三俣川が流れ、池沼など水の豊かな地域です。おそらくニホンイシガメもたくさん生息していたので、亀という名がついたような気がします。
そんな自然豊かな亀岡市…Kさんのとっておきの場所(川沿いのクヌギ林)で採集された個体です。頭部の発達が良く、冠も立派です。耳状突起がサイドにグッと広がり、第一内歯がドカーンと突き出た迫力のあるフジ型ミヤマクワガタです。幼い頃に奈良市内で採集できた特大タイプのフォルムに似ています。本当に格好良い!
このフォルムでもっと大きな個体を見てみたい!とお伝えしたら、なんと今年、75ミリクラスを採集されたとのこと。しかし…もう手元にはいないそうです。せめて写真だけでも拝見したかった。
人間の顔と同じように、とりわけミヤマクワガタのフォルムは個体差が大きいと思います。ここに掲載しているミヤマクワガタたちも多様ですね。頭部の張り出し、大あごの長さ、太さ、全体が細身だったり、えらく太かったりと!生育条件にもよりますが、姿形は親から遺伝します。
小顎鬚(しょうがくし)も奇麗に揃いましたし、触覚も真っすぐ美しい。粗を探せば…上翅の先が2ミリほど開いたのが残念。ミヤマクワガタは上翅が軟らかいのか、乾燥すると開いてしまう個体がいます。そのため展脚時に展翅針を使って翅をサイドから抑え込むようにしています。この個体も開きそうだったので強めに圧をかけたのですが、ちょっと開いてしまいましたね。でも、標本の出来栄えとしては良いと思います。個人評価は「花まる」でございます。
Contributed by HIRO
2023 October