標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ(奄美亜種)Dorcus titanus ♂
【サイズ】 70.6 mm
【採集場所】鹿児島県奄美市笠利町(奄美大島)
【採集日時】2012年7月29日 6:00
【採集方法】Banana Trap採集
【採集者名】K. T.
間違いなく成虫になってから2シーズン目に突入した超特大個体です。大アゴは摩耗して丸みを帯び、全体的研磨されて鈍い輝きを放っています。右前脚のフセツは無くなり、左後脚は途中から切れています。何かと戦って折り取られたのでしょうね。自身が築いたハーレムを守るために戦い抜いたのだと思われます。まさに西洋の甲冑を纏った歴戦の勇者です。格好良すぎてしびれますね。
T.さんのとっておきの樹液木(タンカン)で得られました。やはり特大個体を得るには樹液採集が良いようです。
標本を良く見て下さい。この個体は前胸背板と上翅(腹部)が大きい。大アゴが短いこともあって、装甲をしっかり固めた重戦車のような迫力を感じます。40~50ミリが多く、60ミリになると少なくなります。Tさんの話ですと65ミリクラスは年に数頭ほどだそうです。そんな中、70ミリは滅多に採れない特大クラスです。これが完品だったら!と言う方も多いと思いますが、私は、このような個体に圧倒的に魅力を感じます。大自然の中で長く生きるのは本当に大変なのです。この個体がそれを証明してくれています。
Contributed by HIRO
2024 January