標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長76.8㎜、頭幅20.5mm
【採集場所】宮城県栗原市
【採集日時】2008年7月26日 20:00~22:00
【採集方法】Light Trap採集
【採集者名】K. K.
もう20年以上前になりますが、私が国営みちのく杜の湖畔公園で勤務していた時に、オオクワガタの採集と飼育に人生をかけるぐらい努力されている方と知り合いになりました。お名前は確かSAITOさんだったかと…。当時の私はと言いますと、天然のオオクワガタなんて採れるものでもないので、可能性のあるミヤマクワガタを探していました。やっと65ミリぐらいのミヤマクワガタをアキニレの樹液で見つけて大喜びしていると、SAITOさんが…
「そういえば10年前ぐらいに、丸森町でお化けみたいなミヤマクワガタを見つけたんだよなぁ~。ありゃ~山(丸森)の主だわ。」
クヌギの葉が黄色く色づき、秋の深まりが感じられる9月半ばにオオクワガタを探しに行ったそうです。まだ樹液が浸みだしているクヌギの大木に辿り着くと、いつものように洞などを念入りにCheckした後、根元に降り積もった落ち葉をサッと手で払ったそうな。すると驚くほど巨大なミヤマクワガタがドカッと、そこに鎮座していました。大アゴを振り上げて威嚇するほど、まだまだ元気な個体でした。持っていたノギスで測ると78ミリを悠々超えている…80ミリ近くあって驚いたとのこと。しかしオオクワガタ以外はあまり興味のないSAITOさんですので、再び落ち葉をかけて、そのまま置いてきたとの事でした。あ~なんてことを…
この話はあまりにも衝撃的で、私の記憶にしっかりと刻み込まれました。
「オッちゃんのちっこい(小さい)頃は、8センチぐらいのミヤマがたくさんおったぞ。10センチくらいのミヤマも時々、捕まえたことがあるわ!」なんて自慢げに話すオジさまに何人もお会いしていますので、普通はそんな話を信じないのですが、SAITOさんは別でございます。オオクワガタ飼育にのめり込んでいる方は、太さもそうですが、体長に大きなこだわりを持っています。SAITOさんがノギスで計測したわけです。ほぼ間違いはないでしょう。東北にもギネス級のミヤマクワガタが間違いなくいるんです。
このミヤマクワガタを見て下さい。
丸森町より北部になりますが、栗原市で採集された超特大のミヤマクワガタです。
東北地方のミヤマクワガタは小さい!…なんて噂は消し飛びますね。
この個体がそれを証明してくれています。
Kさんは1000Wの照明を3基使って採集されています。秋田県のミヤマ76UPを採集されたのもKさんです。そうです…このミヤマクワガタもオオクワガタ狙いの副産物とのこと。東北地方のオオクワガタを県別に集めるために、東北六県でライトトラップ巡りをされています(現在は??ですが)。なんと岩手県と青森県の75UPミヤマも所有されています。両個体とも蝦夷型でSUPERな格好良さだそうです。
それにしても…SAITOさんが、丸森町にそのまま置いてきたミヤマクワガタは、間違いなく、これより大きかった…。ワクワクしますね。
Contributed by HIRO
2024 April