標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長72.7㎜、頭幅19.5mm
【採集場所】奈良県五條市
【採集日時】2013年7月29日 11:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】P
Pさんと知り合ってすぐのことでした。私が夏休みで里帰りした時に、お願いしてピーさんのクワガタ採集に同行させていただきました。知り合って間もないのに、私の厚かましいお願いを快く了承してくれました。私の娘も参加することになり、ピーさんは子どもでも入りやすい場所を考慮して案内してくれました。本当に温かい方でございます。そのときに…
「先日、山に入って捕まえたんですが、いりますか?」と笑顔で私に手渡してくれたのが、このミヤマクワガタでした。
さて、ピーさんがどうやってこのミヤマクワガタを手にされたのか?
立派なクヌギを見上げると、地上8メートル付近に樹皮が大きく捲れ上がっている場所が見えました。そこから樹液が溢れ出し、昆虫たちの大酒場となっています。色鮮やかなアオカナブンがキラキラ輝きなんと美しいこと。その一番良い場所に陣取って、カナブンやスズメバチたちを追い払っていたのが本個体となります。自慢の大アゴを威勢よく振り回していました。なぜ8メートル付近とわかったのか?それはピーさん愛用の採集道具(長竿)は10メートルまで伸びるのです。ちょうど竿を8メートルまで伸ばしたときにクワガタに届きました。また、私のような普通の人だと高所にいるクワガタを見つけるのは至難の業です。クヌギの葉の隙間から、振り上げた大アゴがチラッと確認できたそうです。ピーさんの凄い能力(視力)だと思います。
さて、見つけたまでは良かったのですが、捕獲には悪戦苦闘しました。
枝の隙間に竿を差し入れ、竿の先についた小型の網(金魚用の小さな網です)にミヤマの爪をひっかけます。うまく網に乗って(引っかかって)くれたら、竿をゆっくり戻して手元まで引き寄せるのです。枝葉に引っかからないよう、慎重にゆっくりと手繰り寄せて確保できました。
当時のピーさんは、大きくてもリリースすることが多かったのですが、このときは…格好良いから持ち帰ろう!と思ったそうです。
私へのお土産だったんですね。その時は、まだピーさんと知り合っていませんでしたけど…笑
最高のお土産(プレゼント)を、ありがとうございました。
Contributed by HIRO
2024 April