標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長75.0㎜、頭幅 20.0mm
【採集場所】山梨県南都留郡道志村
【採集日時】2005年7月26日
【採集方法】木を蹴って落下した個体
【採集者名】K. I.
迫力あるフジ型ミヤマです。大アゴが太くて短いため体長を稼ぎにくいのに75ミリもある立派な個体です。ボディが大きいですね。全体的に太短い雰囲気が好きです。
山梨県の東南端、神奈川県と県境を接する道志村で採集されました。道志村は東西に28キロ、緑豊かな山々に囲まれた美しい地域です。そして「村」なのですが広いです。村内で標高差が500メートルほどあるため、村の東端と西端では季節が1ヵ月ほど違うと言われています。まさに「季節を感じることができる山村」でございます。
さて、少し小話を!
ミヤマクワガタは頭部に耳状突起や頭冠が発達しています。日本のクワガタの中で耳状突起が見られるのはミヤマクワガタだけです。武将の兜に因んで、ミヤマクワガタをゲンジ(源氏)と呼ぶ地域があります。私の育った奈良でも、クワガタのことを「ゲンジ」と呼んでいる子どもたちがいました。
幼い頃、一緒にクワガタ採集を楽しんでいた友人の中には、ミヤマクワガタのことを「ヘイタイ」と呼んでいた子もいたような…。
また、ミヤマクワガタを「マクラ」と呼ぶ子もいたように思います。おそらく大型個体の頭部が枕Pillowに見えたのでしょうか?
長野の友人にその話をすると、「俺らはハコショイって呼んでたぞ!」と教えてくれました。発達した頭部から箱を背負っているように見えたのでしょうね。
いろんな呼び名(方言)があるというのも、人気の現れかなぁと思います。
Contributed by HIRO
2024 April