標本DATA
【種類】 ヒメオオクワガタ 九州亜種 Dorcus montivagus adachii ♂
【サイズ】 47.6㎜
【採集場所】福岡県田川郡添田町
【採集日時】2006年6月3日 13~14時位
【採集方法】Looking採集(広葉樹の倒木)
【採集者名】S. U.
キュウシュウヒメオオクワガタとも呼ばれています。
ヒメオオクワガタの九州亜種とされているように、原名亜種と似ています。
うちのカミさんのようにクワガタに興味のない人が見ると…
どこが違うの?まったく一緒じゃない!と軽く一蹴してくれます。
観察することは大切です。じっくり見比べてみると、ヒメオオクワガタ九州亜種は大アゴが短めで、全体的に艶消し感があります。この渋い色合いに私はグッと魅かれます。そして、北海道、本州、四国に分布する原名亜種より一回り小さいです。
ただ、本州(中国地方)で採集された個体(原名亜種)なのに、九州亜種に似ている個体を見たことがあります。たくさんの個体(標本)を見て比べてみると、特徴(亜種に分けられた理由)が見えてきます。
本個体を採集されたUさんによりますと、直径60~70cmもある広葉樹の倒木を2人がかりでひっくり返すと、木の裏側にポンとくっついていたそうです。
野外で見られるキュウシュウヒメオオクワガタは30ミリ台がほとんど、40ミリを超えると大きい。45ミリを超える辺りから年に1頭採れれば良い。本個体のような47ミリを超える個体は滅多にお目にかかれません。Uさんの自己採集最大サイズになります。
最大サイズを譲っていただいたUさんの気持ちに応えるべく丁寧に展脚しました。脚のレベル(水平)もとれて美しい仕上がりだと思います。
左のアゴ先と触角が少し欠けています。野外で何かあったのだろうか?個体の傷を観察して、起こったことを想像するのも私は楽しい…
Contributed by HIRO
2024 June