標本DATA
【種類】 ヒラタクワガタ Dorcus titanus pilifer ♂
【サイズ】 65.0㎜(左アゴ64.9 ㎜ 右アゴ65.2㎜)
【採集場所】愛媛県今治市伯方町
【採集日時】2023年6月11日14:00~15:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
【採集者名】Daisuke TSUNEISHI
伯方島で採れたかなりの大型個体です。右アゴの発達が良く65.2ミリぐらいあります。恒石さんは、伯方島で69ミリを採集したこともあるそうです。ヒラタクワガタの良い生息環境が残っているのでしょうね。
島内で一番見られるのはコクワガタです。その次に多いのがヒラタクワガタだそうです。と言っても30~50ミリ未満が圧倒的に多く、65ミリクラスはなかなかお目にかかれません。
大型を採集するには、6月中旬がベストだそうです。なぜこの時期が良いのか?それは羽化したばかりの新成虫が良い洞を探して移動している期間になります。良い隠れ場所を探し切れていない大型個体が仕方なく小さな洞に入っている(挟まっている)ことがよくあるそうです。そのような個体は簡単に引っ張り出すことできます。この移動時期を逃すと大型個体のほとんどは、大きくて深い洞に入ってしまって採集するのが、かなり難しくなります。
ただ、気候変動(温暖化)の影響により、ここ数年は発生時期のピーク(最盛期)が読み辛いとのこと。
そうそう、恒石さんが、もう一つ良いことを言っておられました。毎年、ヒラタクワガタ採集を楽しむためには、洞を壊さないこと!樹皮の捲れを剥がさないこと!一度壊してしまうと、そこにヒラタクワガタは入ってくれなくなります。
Project WILDのプログラムにおいて、野生動物が生きていくための必須要素である、FOOD(食べ物)、WATER(水)、SHELTER(住処)が非常に大切な事を伝えています。
ヒラタクワガタにとって木の洞や樹皮の捲れは、大切なSHELTER(住処)なのです。
洞や捲れなど住処さえ残っていれば、同じ木で毎年、ヒラタクワガタ採集を楽しむことができます。これこそサスティナブルSustainable(持続可能)な採集と言えますね。
Contributed by HIRO
2024 June