標本DATA
【種類】 アカアシクワガタ Dorcus rubrofemoratus ♂
【サイズ】 54.0㎜
【採集場所】鳥取県倉吉市関金町(関金町は2005年に倉吉市に吸収合併されています)
【採集日時】2020年7月10日 7:00
【採集方法】Looking採集(ヤナギ類)
【採集者名】J. T.
鳥取県には百名山の一つ大山が有名…いつか登ってみたい山の一つです。その大山より車を東に60キロほど走らせると関金町エリアに到着します。この大きなアカアシクワガタが得られた場所になります。この地域も美しい山々に囲まれ西には蒜山がそびえ、温泉地としても知られています。Tさんが早朝、沢沿いのヤナギを巡ると、かなりのアカアシクワガタを確認できたそうです。何人もの方々から聞いた話ですが、多産地におけるアカアシクワガタは1本のヤナギに数十匹…多い時は100匹ほどが鈴なりになっているとのこと。周りにも良さそうなヤナギがたくさんあるのに、ある1本の木に集中する!こういった木を、私の知り合いは「アカアシMansion」と呼んでいます。確かにたくさんのアカアシが1本の木に上から下まで階層毎にくっ付いている!この名づけは、なかなか面白いと思いました。
そうそう、マンションで思い出しました。私は1戸建てに住むことが一つの憧れ(目標)だったのですが、東京で働くことになり…ほぼあきらめました。地価が高すぎまする。そんなわけで都内ではないですが、お隣の千葉県の賃貸マンションに住んでおります。ある時、友人(アメリカ人)が、Hiroはどんな家に住んでいるんだい?と聞いてくるので、あまり考えずに…
I now live in a Mansion.
(私はマンションに住んでいるんだよ!)
と返答すると…
Oh my GOD! You are super rich man. I didn’t know that.
(え~っ、ヒロは大金持ちだったんだね。知らなかったよ!)
なんて、彼がとても驚いていました…笑
知らない方もいらっしゃると思いますので、アメリカにおいてマンションMansionは豪華な大邸宅を意味します。アメリカでマンションに住んでいるのは、かなり裕福なお金持ちの人だけなのです。では、日本の分譲マンションを英語で表現すると…コンドミニアムCondominiumが正しいでしょうね。昔の団地のような共同住宅を言う場合は、アパートメントApartmentが良いと思います。
もし、海外の方々に自然ガイドしている時に「アカアシMansion」に遭遇したら、「アカアシCondominium」または「アカアシApartment」が正しい訳でしょうね。言葉って知れば知るほど興味深いです。
さて、このアカアシクワガタは大きい。54ミリに開いたノギスがカチッと当たります。7月前半に採集され、体表の擦れも少なく、非常に新鮮な個体なのですが、右前脚のフセツが根元から折れています。何があったのだろうか?気になります。折れたり、欠けたりしている個体を見る度に思うことですが、自然の中で生き抜くのは大変なのです。
Contributed by HIRO
September 19, 2024