標本DATA
【種 類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 体長 76.0 ㎜ 頭幅 20.6 ㎜
【採集場所】北海道勇払郡むかわ町
【採集日時】2024年6月15日 12:00
【採集方法】Looking採集(樹種?)
【採集者名】K. S.
北海道のむかわ町で採集されたエゾ型の特大サイズになります。このMuseumで掲載中のエゾ型ミヤマが採集された厚真町の隣町になります。この辺りはミヤマクワガタにとって素晴らしい自然環境が広がっているのでしょうね。Sさんは毎年、クワガタ採集を楽しまれています。ただ、この日は先に採集された方がポイントに入っていたようで、狙いをつけていた木々ではほとんど採れず、気持ちは沈み気味だったとのこと。そんな時、高さ2メートルほどの木に自然と目がいったそうです。その木の細枝が交錯したところに大きなミヤマクワガタがしがみついているではありませんか。採集されている多くの方は、「ミヤマの木登り状態」と呼ぶそうです。ミヤマクワガタは土中に作った蛹室で羽化してから外骨格も固まりフルに活動できる状態になるまでジッとしています。そして、土の中から出てくると、まず近くの木々に登り始めるそうです。そんなわけでミヤマクワガタの出始める時期は、いろんな樹種にとまってジッとしていたり、テクテクと歩いている個体が見られます。
Sさんによりますと、この時期、タラの木にたくさんのミヤマがしがみついていたこともあったそうです。タラの新芽は山菜のキングと言う方もいます。でもミヤマクワガタが集まるのは聞いたことがありません。タラの木の近くでたくさんのミヤマクワガタが羽化したのでしょうね。
さぁ、このミヤマクワガタは樹液も出ていない樹種もわからないような細枝にしがみついてジッとしていたため、先行者は見落としてくれました。
手に取った時は、エゾ型で格好良いと思ったのですが、それほど大きいと感じなかった。いつものようにポケットからノギスを取り出してサッと計測してみると、75ミリを悠々と超えていてかなり驚いたそうです。
先行者の存在に気付き、もう帰ろうかと思っていたそうですが、帰らなくて本当に良かった(笑)
残り物には福がある!とは、まさにこのことでしょうね。
標本をじっくりと見ていただきたいと思います。頭幅が大きくて、特大クラスの風格が十二分に感じられる立派なミヤマクワガタです。
Contributed by HIRO
2025 March