標本DATA
【種類】 コクワガタ Dorcus rectus ♂
【サイズ】 35.0㎜
【採集場所】東京都利島村(宮塚山登山道/利島)
【採集日時】2024年8月4日 8:00
【採集方法】Looking採集(路上歩行中)
【採集者名】Yukihisa TAKASU
利島は伊豆諸島の1つで、徒歩3時間ほどで島を1周できる小さな島です。島の8割はヤブツバキで覆われているそうです。
採集されたTAKASUさんにお話を伺いました。
本個体は、路上を歩いているところを見つけて拾い上げたそうです。本土でも歩いているクワガタに出会うことはありますが、多くの場合、樹液(食べ物)や洞(隠れ場所)を備えた木で採集されることがほとんどです。しかし、利島でコクワガタを採集したければ、目線は地上(地面)だそうです。オオバヤシャブシなど樹液を出す木も利島には見られるのですが、木々にはあまり集まらないようです。では、利島のコクワガタは何を食べているのでしょうか?
実は地面に落ちたヤマグワや熟したタブの実、そしてミミズを初めとした動物の体液を舐めて栄養を得ているそうです。TAKASUさんはカタツムリを捕食中のコクワガタも見かけたそうです。…マイマイカブリじゃないですか…(驚)
地上を歩きながら、食べられそうなものは何でも食べているのでしょうね。
さて、本個体をじっくり観察してみましょう。大アゴは短めで、歩行移動が中心のためかフセツが、本土産コクワと比べて短いような感じもします…気のせいか…。長い年月をかけて、歩行しやすい身体に変化させているのかもしれません(適応)。
採集されたTAKASUさんは、「あんずのこ」というブログを開設されています。興味深い内容ですので、是非、覗いてみて下さいませ。
Contributed by HIRO
April 24, 2025