標本DATA
【種類】 ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus ♂
【サイズ】 71.9㎜
【採集場所】福島県福島市(標高200~300m付近)
【採集日時】2022年6月28日 13:00
【採集方法】木を蹴って採集(コナラ)
【採集者名】Cassiopeia
このミヤマから2022年の好調がスタートしました。
その日は快晴!採集日和でしたが、まだ7月に入っていないのに気温は30℃超え。
コナラを思いっきり蹴っとばすと落ちてきてくれました。
カシオペア君のホームスタジアムである福島市では最大クラスの個体です。滅多に超えてこない72ミリ。このミヤマ…体が太いわけでもなく、頭部の発達(張り出し)が凄いわけでもない。しかし格好良く感じる。良く見ると大アゴが良い、少し短く、なめらかに湾曲している!第一内歯がドンと太いのがアクセントになっている。バランスが良いんでしょうね。
この歯型は、第一内歯を見るとフジ型に入れても良いかなぁ。雪の多い福島県で採集できるミヤマクワガタは、関西、九州など暖かい地域のミヤマクワガタのように、第一内歯がドカ~ンと驚くほど突き出る個体は少ない。いや…今まで見たことがありません。大アゴや全体のフォルムは、親の遺伝子が影響しますが、特にミヤマクワガタに関して言うと、幼虫時代に過ごした環境(気温)によって、歯型が変化してくるようです。
歯型は3タイプに分けられています。
エゾ型/大アゴの先が大きく開き、荒々しい牡鹿の角のようです。寒い地域や北海道で多く見られるため、蝦夷型と名付けられたのだと思います。
フジ型/大アゴ先の開きも控えめ、だけど第一内歯がド~ンと突き出します。私の生まれ育った奈良市内に生息するミヤマの第一内歯は、餅つきの杵のように太く突き出た個体が多かった。
標準型/エゾとフジの中間型です。何が中間なのか?第一内歯が長くもなく、短くもなくというのがポイントです。この説明では余計わかりませんね(笑)
エゾ型は大アゴを閉じて先端をくっつけると左右に1本ずつある第一内歯は遠く離れた状態になります。フジ型の大アゴを閉じると、突き出ている第一内歯が邪魔をしてアゴ先はくっつきません。標準型は先端をくっつけると、第一内歯は互いに当たらないけどかなり接近。
自分で説明文を書いていても、イマイチですな。
このVirtual Museumにて、標本写真をたくさん見て下さい。それが一番です。
幼少期を奈良市内で過ごした私にとって、ミヤマと言えば第一内歯がグッと突き出したフジ型ばかりでした。そんなわけでフジ型に大きな愛着があります。この根元で挟まれると痛かったなぁ~。ただ、ミヤマは痛いけど、出血することはなかったような。ヒラタに挟まれて血だらけになったことを考えると、ミヤマはヒラタより優しかった。
Contributed by HIRO
2023 September
(⇩外部リンク:ミヤマ採集時の詳細はブログにて)
http://cassiopeia19770720.blog.fc2.com/blog-entry-684.html?sp